ハッピーボイス山口ゆりえです。

執筆を担当させて頂いているメルマガコラムも第5回目を迎えました。

以下、先日配信された内容になります。

「スピーチ成功までの6段階~心を掴む話し方~」第5回目をお届け致します。
テーマは「敵を味方に変える話し方」についてです。

 名スピーカーとは、「敵を味方に変えることができる人」だと思います。
「反対意見だったが、共感した」「あまり好きではなかったけれど、好きにな
った」等、話を聴いたことにより聴き手の気持ちが大きく変化した時、その人
は確実に名スピーカーと言えるのではないでしょうか?

 司会者に成り立ての頃、「司会者は耐えなくてはいけない」と教えられました。
拍手が湧き起こらない時も、笑いが取れない時も、ずっと耐えなくてはいけない。
実際に現場に立ち続けてみると、その意味がよく分かりました。
「拍手が起こらない」と思った瞬間でも笑顔を絶やさない、「ウケない!」と感
じた瞬間でも喋り続ける。これらの大切さを痛い程感じ続けました。
それから月日は流れ、今は「耐える」ことから「分かろうとする」ことへと変化
しています。

 マイクを手に立っていると、様々な表情が目に映ります。優しい眼差しもあれ
ば、真剣な眼差しもあります。しかしながら、時に厳しい眼差しも視界に入るこ
とがあります。当然ながら人の感じ方は様々であり、聴き手となっている全ての
方々に理解して貰うことは難しいことです。だからこそ、話し手側が先に「分か
ろうとする」姿勢が大切なのだと感じます。

 例えば、結婚披露宴で数年振りに集まった方々のテーブルは学生時代の懐かし
い話で盛り上がり、親戚のおじさんやおばさんが座るテーブルでは故郷の話に花
が咲いていることを観察しています。今その場にいる方々の気持ちの変化を感じ
取ることは、話し手の声や顔の表情にも表れていることが、経験を通して分かる
ようになりました。
そして、最初は厳しい眼差しの方が徐々に笑顔になられると、心から嬉しくなり
ます。

 しかしながら、見返りを求めない姿勢も又重要だと感じています。
「相手に分かってほしい」「自分の話に共感してほしい」という気持ちが強すぎる
と、冒険が出来ない話し方になってしまいます。どこか型にはまったような伸びや
かさに欠ける話し方は、その人の魅力を損ねてしまう恐れがあり、とてももったい
ないことだと思います。「分かろうとする」姿勢を貫きながらも、「分からなくて
もいいよ」位の気持ちでいる方が、自分らしく話すことできるのではないでしょう
か。
小さな見返りに拘らないことは、後から有り難いギフトを受け取ることにも繋が
る気がします。

 私の例として、講師として話した際に終始硬い表情の方がいらっしゃいました。
てっきり満足されなかったと感じていましたが、アンケートではたくさんの嬉しい
コメントを記載して下さいました。重複してしまいますが、本当に様々な方がいら
っしゃると思います。直ぐに感情を表現できる方もいらっしゃれば、感情の表現に
時間をかける方もいらっしゃいます。だからこそ、面白いのかもしれません。

 臆せずに「相手を知ろう」という姿勢を貫くことで、人の気持ちは変化するのだ
と思います。そして何時しかその姿勢は、敵を味方に変えながら、敵を作らない話
し方へと進化していくのでしょう。

 次回は最終回「誰もが名スピーカーになれる」です。
(2月20日配信号へつづく)

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