ハッピーボイス山口ゆりえです。

先月配信された第4回目のメルマガのコラムをアップします。

 「スピーチ成功までの6段階~心を掴む話し方~」と題してお届けしているコラムの第4回目となります。
テーマは「共感を得る話し方」についてです。

人は、話を聴いた後に「その通りだ」と感じたリ、「同じ気持ち」になっ
た時に共感できたと感じます。話を聴く側の傾聴力が重要なことは最もですが、
話し手の傾聴力も欠かすことができないと思います。

 司会者として多くの方々のスピーチを拝聴した結果、「惹きつけるスピーチ
には、立体感がある」ことに気づきました。「面で起こし立体にする」。正確
には、「点を線で結び面を起こし、立体を作り上げる」イメージだと感じてい
ます。「話題を見つけ、言葉で繋ぎ、声に出して伝える」過程に於いて、如何
に聴き手となる相手の立場に立てるかどうかが、その後の共感に繋がるのだと
思います。

 3秒~5秒で決まると言われている第一印象・ファーストインプレッション。
「話してみたい」「話を聴いてみたい」と感じて貰う為に大切な数秒間ですが、
「もっと話してみたい」「もっと話を聴いてみたい」と更に印象付ける為に、
若しくはもっと良い印象を残す為には、最後の印象であるラストインプレッシ
ョンこそが重要であると感じます。それは、流暢に話すことでも、立派な資料
を渡すことでもなく、大切なことはただ一つ、聴き手目線で話すことだと感じ
ます。

 以前、効果的なコミュニケーションの場を作り上げるファシリテーターのス
キルを身に付ける際に、共感的理解について学びました。「自身の価値観で聴
き手を判断しない。聴き手の感情に巻き込まれない。考えや感情に共感し、理
解する」ことです。そしてこのことは、話し手の傾聴力にも繋がると感じてい
ます。聴き手の表情を確認しながら話す、聴き手の声を引き出しながら話す。
一方的に話すのではなく、聴き手の力を借り、声を引き出し、その場を作り上
げる感覚こそが、立体感を作り上げる話し方になるのだと思います。

 「聴き手目線で話すことで共感を得ることができる」。決して「良い声」で
話すことが、共感を得られる訳ではない筈です。綺麗に伝えていても、ただ読
み上げるだけの伝え方では人の心に響かないことが多いです。一人一人と言葉
のキャッチボールを行う感覚で話すことで、声にのせた言葉はしっかりと届く
のだと思います。しかしながら、一朝一夕で身に付けられるのではなく、何よ
りも人前で話す回数を増やすことが重要になります。

 「点を線で結び、面を起こし、立体を作り上げる」即ち、「話題を集め、言
葉で繋げ、声に出して伝える」ことの繰り返しによって、「共感を得る話し方」
が完成されると思います。

 次回は「敵を味方に変える」話し方です。

(1月23日配信号へつづく)

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