ハッピーボイスの山口ゆりえです。
母と娘の絆というのは、やはりとても深いものだと感じます。
それはブライダルの現場にて、
新婦が中座する際のことでした。
中座とは、お色直し(衣装チェンジ)をする際に、少しの時間会場を離れることを意味します。
その際の退場の際には、
お母様と一緒だったり、お友達、ご兄弟、もしくは新郎新婦お二人で退場されることもあります。
この時は、
お母様との退場でした。
お母様が私の案内で、
お席から正面に進み、新婦の隣に進まれました。
お母様の目にうっすらと涙が溢れます。
実は、母一人子一人。
お爺様お婆様の元、お母様が一生懸命に働いて育てられた一人娘。
進学校、予備校、大学と進み、地元で安定した仕事に就いていた新婦ですが、
大学時代から付き合っていた彼と結婚する為に、地元を離れることを決意。
私からお母様へのインタビューの際に、
お母様は娘への思いを、会場の皆さんへ伝えられました。
「嫁に出すつもりでは育ててこなかったんです。どうぞ皆さんご理解下さい。だから、娘を呉々も宜しくお願い致します。どうぞ宜しくお願い致します。」
溢れる思いが会場全体に伝わりました。
そして口数は少なくても、
「ありがとう」の気持ちを真摯に伝える実直な新婦の表情。
様々ドラマが生まれる、
中座の時のインタビュー。
「楽しく盛り上げて欲しい」
「感動的に演出して欲しい」
とご希望は様々ですが、
やはり、「親子の絆」を伝える貴重な時間。
お母様の気持ちと新婦の気持ちを引き出すことが、司会者の役目だと感じます。
以前、ある会場のオーナーから、
中座の時の司会者の立ち位置について、
学ばせて頂いたことがあります。
そこに立つ人の表情や気持ちをしっかりと感じながら話していく。
司会者は多くを話すだけでも、
進行役だけでもない。
進行を把握しながら、
その場に相応しい言葉を込み上げる気持ちに載せながら発していく。
それがプロとしての役目なんだと、
改めて感じる日々です。
親子の絆。
人はその絆の深さを感じた時に、
心から感動し、共感するのだと感じます。
親子の絆に乾杯